FOOD&LIFE COMPANIES(下)スシローの業績回復を花道にトップ交代
不祥事が続発したことで23年9月期の既存店売上高(国内)は前期比8%減、客数は13%減った。新型コロナ禍を乗り越え、ライバル店の業績が回復するなか、スシローの一人負け状態となった。
水留は好調な海外の店舗を拡大させる一方、低迷する国内はデジタルディスプレーによる注文方式の導入に切り替えた。家族連れのためにクイズやゲームが楽しめる仕掛けも用意した。
地道な努力で落ち込んでいた客足がようやく戻った。その結果、上半期(23年10月~24年3月)の客数は15%増、既存店売上高は18%増と2桁伸びた。期間限定で復活した1皿100円キャンペーンが客数増に寄与した。
国内需要が持ち直したことで、24年9月期の連結業績(国際会計基準)は急回復する。売上収益は前期比19%増の3600億円、純利益は65%増の130億円の見込みだ。
業績回復を花道にトップが交代した。山本新社長は、海外の出店で収益を伸ばすことが求められることになる。
一方、水留はやり残したことがあったはずだ。年齢も若い。