ファンリード 小林慶一社長(1)プロ野球に憧れた町工場の長男が父の急逝で家業廃業に直面
DX推進のほか、システム開発、ITインフラ構築を行うファンリードは、プリント基板の回路パターンを保護する絶縁膜ソルダーレジストの生産世界一で知られる、東証プライム上場企業の太陽ホールディングスの100%子会社。
連結社員362人のうち、176人がエンジニアの技術屋集団を引っ張るのが、39歳の小林慶一。 1985年、小林は航空機のコックピットに使われる鉄材や銅像に付けられるネームプレートなどを製造する東京・練馬の町工場を経営する家に誕生。
幼少期の小林にとって、社員4人ほどの小さな工場が遊び場だった。
「今こうして経営者をしているのは、小さいとはいえ、社員さんたちを束ねる父の姿を見ていた影響が大きいと思います」
ある日、父・政幸さんに連れられ、東京ドームでプロ野球を観戦した小林は、選手のプレーや歓声に感動したことでプロを目指すことに。
横浜の慶応義塾高校に進学し硬式野球部の門を叩くが、その夢はすぐに打ち砕かれる。