コストコ年会費値上げへ…「2030年に国内で60店舗」実現は、厳しすぎる立地条件が足かせに
「年会費であることが集客効果を発揮する。一度支払うと『元を取りたい』という心理が働き、訪れる回数が増える」(広告業界関係者)
同社の決算資料によると、会員費は全世界売上高の2%弱に過ぎないが、営業利益の半分以上を占める収入源である。併設する会員限定のガソリンスタンドは相場の5~10円ほど安く、店内のフードコートも食品を安く提供している。こうした設備は、年会費への還元の意味合いもある。
■立地条件が足かせに
コストコは4月に国内37店舗目を山梨県南アルプス市でオープンする予定。同社は「2030年までに国内60店舗以上」としており、今後も積極的な展開を目指す。だが、「半径10キロの人口がおおむね50万人以上」や「敷地面積1万5000坪以上」「車のアクセスが良い物件」といった、コストコの立地条件が足かせとなりそうだ。
「首都圏では外環道路の内側で条件を満たす土地はなく、国道16号の内側でも難しい。そもそも一人でこれだけ広い土地を持っている人は少ない。地方で土地を見つけても地権者の調整が大変」(不動産関係者)
人口76万人の新潟市は、数年前からコストコ出店の有力地といわれてきたが、いまだに出店していない。今後の出店は土地の確保次第だ。
(山口伸/ライター)