ホンダ・日産統合決裂で思い出す…「三井住友銀行」誕生会見での“ラストバンカー”西川善文氏の言葉
ホンダと日産自動車は2月13日の取締役会で、経営統合の協議を打ち切ることを決めた。世界3位の自動車グループを目指す日本車連合は夢と消えた。統合協議入りから1カ月半、あまりに早い決裂に、取引銀行の幹部は「そもそも最初から難しい統合話と思っていたが……」とこぼす。
ホンダと日産自動車の統合協議の打ち切りは、直接には統合比率(ホンダ5に対し日産1)などの条件で折り合わず、最後はホンダ側が日産の子会社化という劇薬を提案して決裂したことになっている。
だが、「1月下旬に三菱自動車が統合に参加しないことを決めた時点で、今回の統合話は流れたようなもの」(メガバンク幹部)と受け止められていた。実際、ホンダの三部敏宏社長は社内で「三菱自動車はまともだが、日産はだめだ」と漏らしていたとされる。
そもそも12月23日の統合会見も前代未聞だった。三部氏は冒頭から「ステークホルダーからホンダによる日産支援という声が出ていることは想定している。日産がターンアラウンド(再生)を終え、事業基盤を確実にし、自立しなければ経営統合の検討は成就することはない」とクギを刺していた。