物価高が一服する? 当てにならない「日銀見通し」ハズれ連発の黒歴史
経済評論家の斎藤満氏はこう指摘する。
「全国の先行指標である東京都区部の4月のコアCPI(中旬速報値)は、前年同月比で3.4%も上昇。実態に近い数値です。金融正常化を目指す日銀が物価見通しを上方修正する可能性アリと見ていましたが、官邸の方針転換の影響を受けたのでしょう。トランプ米政権は円安修正と消費税廃止を要求していて、円安アジェンダをクリアするには利上げを断行する必要がある。しかし、政府・与党にとって参院選前に経済的負荷を高めるのはマイナス。トランプ大統領の求心力が揺らいでいることから恐怖心が薄らぎ、国内政治重視に傾いている。巻き込まれた格好の日銀は利上げ見送りの理屈として、景気下振れとインフレ足踏みをセットで出したのでしょう。黒田日銀は『上がる上がる』とあおっては下方修正し、植田日銀は『上がらない』と言って上方修正。日銀の見通しは政治に応える方便と化しています」
どうりでハズレを連発してきたわけだ。内閣府発表の4月の消費動向調査によると、1年後に「5%以上」の物価上振れを見込む割合は前月比4.7ポイント増の60.0%。納得の数字だ。
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