著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

永田鉄山刺殺事件 相沢三郎の日本刀で永田は“即死”だった

公開日: 更新日:
閑院宮参謀長官の使いとして恩賜の果物を携え、上海爆弾事件負傷者の見舞いに向かう陸軍参謀本部第2部長の永田鉄山少将=1932年5月3日、東京駅(日本電報通信社撮影)

 昭和陸軍はある時期から平衡感覚を失ってしまった。昭和3年の張作霖爆殺事件を契機として、テロと陰謀をもって自己の主張を通す組織となっていった。そういう状態で日中戦争、そして太平洋戦争に入っていったことになるのだが、一度バランスを保つことができなくなった組織は、際限なく自滅的な行動…

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