松井裕の活躍で楽天連覇なら「経済効果は昨季以上」と専門家
経済ジャーナリストの真保紀一郎氏もこう言う。
「楽天が昨年以上の経済効果を与えるには、新しいものを見せることです。例えば、流通業界では2年連続で同じことをやっても売れません。それはマーケティングの常識です。ならば、やってくれそうな期待感が大きい松井裕樹をどう売り出すか。このチームの幹部には優秀なビジネスマンがいる。戦略は持っているのではないか」
パ・リーグは、大補強したソフトバンク以外は「ダンゴ状態」といわれている。楽天が頂点に立つため、最も期待されている投手が松井。昨年、24連勝した田中がそうだったように、松井の活躍がチームの成績に直結。それが刺激となり、東北経済を動かすことになる。
「プロ野球にはスター主義という言葉がある」とは、スポーツライターの工藤健策氏だ。
「強さに関係なく、スター選手がいるチームは集客力がある。いくら強くても、スターがいない、つくれないチームは人気がない。楽天は田中がいなくなったからこそ、新たなスターが必要なのです。東北のチームが日本一になり、今後も明るい夢をつなげたい。松井はそんなファンの夢をかなえられる素材です。常に楽天に注目が集まれば、被災地復興も忘れられることはない。これはいわば、2011年3月11日からつながっている物語の続きなんです」
松井は身長174センチ。プロの投手としては小さなカラダに、東北の夢と希望がずっしりとのしかかる。