世界一ならずも 弱小球団をWSに導いたロ軍ヨスト監督の原点
29年ぶりのワールド・チャンピオンを惜しくも逃したロイヤルズだが、今季ア・リーグの最優秀監督の有力候補に挙がっているのが、ネッド・ヨスト監督(59)だ。
青木宣親(32)のボスであるヨスト監督は、現役時代は捕手としてブルワーズなどで6年間、プレー。メジャー通算219試合に出場し、605打数128安打の打率2割1分2厘、16本塁打、64打点。そのヨスト監督とブルワーズ傘下の3Aバンクーバー(当時)でチームメートだったのが評論家の小川邦和氏だ。79年にバッテリーを組んだ小川氏が当時のヨスト監督についてこう振り返る。
「捕手としては線が細く、打撃も非力でメジャーでは実績を残せませんでしたが、野球に対して真摯で練習では手を抜かなかった。研究熱心で、当時ブルワーズでは将来の幹部候補として扱われていた。後にロッテの二軍監督を務めた内野手のレン・サカタも同僚で、ヨストと2人でリード面などを話しているのを何度も見かけました。何試合かバッテリーを組んで感じたのは『打たれたら自分の責任』と素直に言えるタイプということ。ある時、走者がいるにもかかわらずフルカウントで直球のサインを出したので『真っすぐが来ると分かっている場面で、なぜ投げないといけない。俺はノーラン・ライアンじゃねえよ』とマウンド上でヨストを怒鳴り散らしたのは、いい思い出です」