浅尾の先発転向に賛成の権藤氏 「中日のやり方」への不満語る
だが、瞬発力は年齢とともにいずれ衰える。その前に、瞬間的なパワーに頼らないバランスのいい投球フォーム、力で押すだけではない投球スタイルを身につける必要があると思った。そのためには、先発転向が近道だと考えたのである。
■間違いなく選手寿命は延びる
ここ3年、右肩を痛めて苦しんだことを考えても、先発という新たな道を進んでいくのはいいことだ。これは、同僚の岩瀬仁紀(40)にも言えることだが、先発に回れば間違いなく投手寿命は延びる。岩瀬のタフさがあれば、50歳まで投げられると思う。
リリーフは肉体的にも精神的にもきつい。先発には先発の苦しさはあるものの、過酷というほどではない。岩瀬と浅尾はこれまで、先発投手の勝ち星、それまで試合をつくってきた打線と中継ぎの頑張り、チームの白星などすべてを無にしてしまうかもしれないという重圧の中で投げ続けてきた。彼らの功績に報いるためにも、先発転向という話が出るのは当然。
惜しむらくは、岩瀬にしても浅尾にしても、又吉や福谷といった若手の台頭でリリーフの座を追われたという印象を周囲に持たせてしまっていることだ。そんなイメージを与えること自体、彼らに失礼。功労者に対するフォローが足りない。もっと前に球団なり現場なりが、先発転向という道筋をつけてやるべきだった。
(権藤博/野球評論家)