怪我の影響深刻 引退危機はらむ遠藤を師匠はなぜ休ませない
せっかくの大銀杏デビューが台無しだ。
大相撲夏場所2日目、遠藤(24)が2連敗を喫した。今場所は左ヒザの前十字靱帯部分断裂と半月板損傷を手術せずに強行出場。序盤は高安を攻め立てるも、張り手を食らってからは防戦一方。左ヒザのケガを気にしてか、回り込むことも踏ん張ることもおぼつかず、あっけなく押し出された。
肩を落とした遠藤は言い訳無用とばかりに「負けは負け」とポツリ。素人目に見てもケガの影響は深刻だ。これでは1勝どころか、15日間を乗り切れるかも怪しい。
遠藤の取組には常にスポンサーからの懸賞金がかけられている。対戦相手からしても、勝てばその場で現ナマが手に入るチャンス。左ヒザという弱点が明らかになっているのだから、まさに「くみしやすし」だ。
相撲で弱点を狙うことは卑怯でも何でもない。踏ん張れない左ヒザに負担がかかるように攻められたら、それこそケガの悪化で途中休場もある。ヒザは力士の生命線だけに、引退の危機すらはらんでいるのだ。
休場すれば番付が下がるとあれば、本人が「出場したい」と思うのは当然。しかし、ケガの状態を考えれば無理をすべきではない。本来は師匠が「バカ言うな!」と止めるべきだが、追手風親方(元幕内大翔山)は「本人が出ると決めた以上は仕方ない」と言うのみだ。
「追手風親方は現役時代から稽古嫌いで有名。そのせいか、親方になっても放任主義です。しかも、筆頭力士は遠藤だけに強いことは言えない。遠藤にとって師匠はいないも同然ですよ」(相撲記者)
力士生命があと1、2年で終わった時、親方を恨んでも遅い。