なでしこ初代専任監督指摘 「存在感増したMF阪口は好材料」
ニュージーランド、イタリアとのテストマッチをこなし、なでしこジャパンは6月1日午後、女子W杯が開催されるカナダに向かって旅立つ。
11年W杯を制し、世界女王として2連覇を目指すわけだが、世界ランク4位の日本にとって実力上位国の1位ドイツ、2位アメリカ、3位フランスはもちろん、5位スウェーデン、6位イングランド、7位ブラジル……と強豪を相手に苦しい戦いを強いられるだろう。
しかし、テストマッチ2試合をじっくりと観察して「明るい材料」を見いだすことが出来た。
まずは「ボランチのMF阪口(夢穂=27)が存在感を増して、チームの展開力が4年前よりも向上した」ことである。
ニュージーランド戦でベテランMF沢(穂希=36)とボランチのコンビを組んだ初W杯組のMF川村(優理=26)は、守備と運動量の面ではまずまずだったが、展開力の部分で改善点は多い。
阪口は、ピッチ全体を見据えながらボールを右から左へ、左から右へと的確にさばき、なでしこの生命線である「サイドからの攻撃」の起点となった。単に「散らす」のではない。機を見てFW大儀見(優季=27)に縦パスをスパッと入れ、攻撃のバリエーションを増やす役割を担った。