著者のコラム一覧
児玉光雄追手門学院大学客員教授

47年兵庫生まれ。京大工学部卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院に学び工学修士号を取得。米国オリンピック委員会スポーツ科学部門本部の客員研究員として五輪選手のデータ分析に従事。前鹿屋体育大教授。日本スポーツ心理学会会員、日本体育学会会員。

ウィンブルドン「錦織は8強目指せ」 スポーツ心理学者が提言

公開日: 更新日:

 目標設定水準に関して心理学に、「マクルランド理論」というのがある。ハーバード大学の心理学者デビッド・マクルランド博士はハーバードの学生を被験者にしてたくさんのグループに分け、輪投げをやらせた。その際、ルールを一つだけ設けた。

「的までの距離は自由に設定していい」というルールである。そして博士は学生のしぐさ、態度、目つき等をつぶさに観察し、どのグループが輪投げに真剣に取り組んでくれるかを見て、以下の結論を得た。

 それは「5回のトライで3回入る距離に的を置いたグループが最も真剣に輪投げに取り組んでくれた」という事実である。

 つまり、達成確率60%はやる気を最高レベルに引き上げてくれるのだ。それより達成確率が低ければ「これは難しい!」と考えてしまいやる気が高まらない。60%よりも達成確率が高ければ手抜きをしても達成できるから、やはりモチベーションが上がらない。

 昨年4回戦負けの錦織は、今年第5シードで登場。達成確率60%という目標設定水準に最も近いのは、確実にシードを守る「ベスト8死守」なのだ。それが実現できれば、もちろんベスト4、準優勝、そして優勝も見えてくる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    イメージ悪化を招いた“強奪補強”…「悪い町田をやっつける」構図に敵将が公然批判でトドメ

  2. 2

    菊池風磨、亀梨和也は結婚も? スピリチュアル霊能者が2024年芸能界下半期をズバリ占う!

  3. 3

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 4

    町田ゼルビア黒田剛監督は日本サッカー界の風雲児か? それともSNSお祭り炎上男か?

  5. 5

    石丸伸二ブーム終焉の兆し…「そこまで言って委員会」で泉房穂氏の舌鋒にフリーズし“中身ナシ”露呈

  1. 6

    一人横綱・照ノ富士が満身創痍でも引退できない複雑事情…両膝と腰に爆弾抱え、糖尿病まで

  2. 7

    メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    指原莉乃が筆頭、元“神7”板野友美も参入 AKB48卒業生のアイドルプロデュースが増加する背景

  5. 10

    「サマージャンボ宝くじ」(連番10枚)を10人にプレゼント