15本目満塁弾に歓喜 西武中村を変えたルーキー年の“1週間”
「打の怪物」が「投の怪物」を木っ端みじんに打ち砕いた。
24日の日本ハム戦で縦横無尽の活躍を見せたのが西武の中村(31)。先頭打者の四回、160キロ右腕の大谷が投じた158キロの外角低めを見送ると、甘く入ったスライダーをひと振り。左翼上段に滞空時間の長いアーチをかけ、1000本安打と300号を同時に達成した。
さらに五回は1死満塁の場面で、159キロの直球を右翼に叩き込むグランドスラム。通算15度目の満塁弾は日本トップタイ。
あの王貞治(現ソフトバンク会長)に並ぶ大記録を成し遂げた。
08年に渡辺前監督(現SD)から「常にホームラン狙い」のお墨付きを与えられてからというもの、5度の本塁打王を獲得。それでいて記念球に興味はなく、「客席にボールの返還を求めたことは一度もない」(球団関係者)という。
■「今の僕のスイングでは打てません」
中村といえばまず語られるのがパワー。しかし、かつて西武で二軍監督を務めたこともある片平晋作氏(評論家)は、「真に評価されるべきは彼の目標設定の置き方です」と言う。