大胆な阿部とは対照的…G高橋新監督「慎重かつ臆病」の素顔
「11年の東日本大震災の直後、プロ野球が開幕を強行するか延期するかでモメたときです。巨人ナインは強行派の旗振り役だった球団と、延期を求める選手会との間で板挟みにあった。選手内では8割が開幕延期を支持。ファンに向けて巨人選手の立場を発信しようと何人かが立ち上がった。それを止めたのが由伸でした。相談を受け、『球団には球団の考え、立場がある。選手の意思をフロントに伝えただけで十分じゃないか。これ以上、問題を大きくしてもしょうがないよ』と言って熱くなった選手を沈着冷静に鎮めたものの、やっぱり球団の顔色をうかがうのか、ガッカリした、という声があったのも事実。慎重というより臆病と見る向きもありますが、上にいい顔をするというより、とにかくモメごとやトラブルを嫌う性分。物分かりが良すぎるといえば良すぎるので、結果的に特に目上の人間にはかわいがられる」(巨人の若手OB)
巨人が日本一になった12年オフ、その記念に原監督が背番号と同じ88本の腕時計を特別オーダーし、選手に購入希望者を募った際のことだ。
1本77万円もする値段に尻込みする選手が多かった中、高橋由は「あの人らしい」とナインを苦笑いさせたことがあった。
(つづく)