陸連にブレーキ疑惑 名古屋Vキルワさえ「設定記録」破れず

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「これでは陸連が、走る前から設定記録(2時間22分30秒)突破にブレーキをかけていたと言われても仕方ない」と、前出の菅原氏は疑惑の設定に憤慨する。

 この日は気温が10度未満。風も、強い日差しもない絶好のコンディションだった。だが、PMの走りが不安定で、しかも30キロまで、PMの直後を走っていたキルワが5キロ17分を切ったのは1度だけ。キルワはレース後、「(30キロまでの)ペースは昨年(5キロ平均16分52秒)よりよくなかった。30キロ以降は自分で頑張ろうと思った」と語っていたが、残り12.195キロを昨年より30秒以上も速い驚異的なペースで走っても、優勝タイムは2時間22分40秒。昨年の2時間22分08秒の更新はおろか、福士の記録も、陸連設定記録さえもクリアできなかった。

 激しい2位争いを演じた田中、小原の2人も30キロ以後は、昨年2時間22分48秒で2位だった前田彩里(24)より30秒以上も速いタイムだった。

「五輪代表の選考レースを一本化できないのなら、できるだけ国内3レースの条件は同じにするべきです。選手は皆、2時間22分30秒という設定記録を意識しているわけですから不公平があるのはおかしい。今回、大阪と同じく16分40秒台のペースをPMに指示していれば、キルワは2時間21分台の記録は十分に出せたし、田中も小原も設定記録を上回れたかもしれない。その可能性を潰した陸連の意図がわからない」(前出の菅原氏)

 陸連の尾県専務理事はレース後、福士について「事実上内定。1枠を満たした」と言った。名古屋で「福士以上」の選手が現れず、女子マラソンのリオ五輪代表はすんなり決まりそうだが、どこか釈然としないファンは多いはずだ。

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