アドバイザーに元最高裁判事 NPBなぜ“法律のプロ”ばかり?
何の役に立つのか。プロ野球セ・リーグは17日、巨人投手の野球賭博関与や複数球団の自軍試合の勝敗に関しての現金授受の問題を受け、都内で臨時理事会を行い、野球に関して現金授受を一切禁止した。
山岸均理事長(巨人球団取締役連盟担当)は「各球団の情報を細かく交換した。野球賭博を根絶し、球界浄化に取り組むことを確認した」と語った。
ベンチ前の声出しによる現金授受は、セでは巨人、阪神、広島。ノックの罰金徴収は、巨人、阪神、中日、広島で行われていた。DeNAとヤクルトはいずれについても調査中とのことだ。野球賭博に関与した選手は、今のところ巨人以外の球団から出てきてはいないという。
その野球賭博の問題を調査している日本野球機構(NPB)の調査委員会は同日、同委員会のアドバイザーとして元最高裁判事の横田尤孝氏(71)の就任を明らかにした。大鶴基成委員長は「(野球)協約の解釈、適用について適切なご指導をいただきたい」と言ったが、それを言うなら、熊崎コミッショナーは元検察官で、元東京地検特捜部長。大鶴委員長も東京地検特捜部長や最高検察庁公判部長などを歴任している。検察官は刑事事件を裁く人間ではないが、2人とも弁護士でもあり法律のプロだ。コミッショナーが野球協約を熟知してさえいれば、高齢の元最高裁判事など引っ張りださなくても、協約の解釈、適用には困らないはずだ。
元法曹界の人間が増えたところで、調査協力を拒否している野球賭博常習者「B」の首根っこを掴んで連れてこれるはずもない。一連の野球賭博の真相はまだ闇の中だが、こんなアリバイづくりみたいな人事も、多くのファンは納得できないはずだ。