陸連白羽の矢 マラソン復活へ瀬古利彦氏に求められるもの
20年東京五輪までは4年を切っている。世界との差が急激に縮まるはずもないが、開催国が、かつてお家芸といわれたマラソンで惨敗するわけにはいかない。
そこで日本陸連は、東京五輪でメダルを獲得するため「長距離・マラソン強化戦略プロジェクト」を新設。リーダーに84年ロス(14位)、88年ソウル五輪(9位)男子代表の瀬古利彦氏(60=DeNA総監督)を任命。ナショナルチーム(NT)の強化には、女子が山下佐知子氏(第一生命監督)、男子は坂口泰氏(中国電力監督)があたる。瀬古リーダーとNTの橋渡しは、河野匡氏(大塚製薬女子監督)が務めるという。
瀬古リーダーは早速「今の練習(量)だったら100%メダルは無理」と、練習量を大幅に増やす考えを示唆したが、リオ五輪に向けてのNTは形骸化し、男子はまったく機能しなかった悪しき前例がある。
各企業の陸上部は、元日に走る駅伝の強化が中心だ。NTに選手を派遣すると練習日程が狂う。また、宗猛男子長距離マラソン部長の指導に疑問を持つ監督もいて、NTへ選手派遣をしなかったところもある。