マーリンズ身売りの波紋 イチローの来季再契約に“黄信号”
「来年は44歳。守備範囲にしても、データ上はメジャーの平均以下ですからね。これまでは純粋な戦力より、若手の教育係とか、日本での公式戦を視野に入れたビジネス面で評価されていた。けれども、経営者が代われば、チームづくりのスタンスもガラリと変わるでしょうからね」
米大リーグ、マーリンズのイチロー(43)に関して、こう言うのはスポーツライターの友成那智氏だ。
マーリンズは12日、サムソン球団社長が実業家のブルース・シャーマン氏や元ヤンキースのデレク・ジーター氏を中心とした投資家グループに球団を売却することで合意したと発表。譲渡額は約1300億円といわれる。同社長によれば、新たな編成責任者にはジーター氏が就くことが確実だという。
イチローはマーリンズと年俸約2億2000万円の1年契約。来季、同額の年俸で契約するかどうかの選択権は球団側にあるが、今季は23日現在、打率・248、3本塁打、15打点、0盗塁。友成氏は「マーリンズがイチローと再契約する可能性は低い」と言うのだ。
「マーリンズの外野はスタントン、オズーナ、イエリッチと強力な布陣ですが、昨年まではケガもあって3人が揃わないこともあった。マイナーにも大した人材がいないだけに、4人目の外野手はイチローよりOPS(出塁率に長打率を加えた数字)の高いベテランの強打者を据えるでしょう。このオフは例えばヤンキースのマット・ホリデー(37)やブルージェイズのホセ・バティスタ(36)のような長打も期待できる選手を補強するのではないか。ジーターはイチローとヤンキース時代に接点があるし、互いに尊敬し合う部分もあったと思う。けれども、メジャーのチーム編成に関していえば、友情とか情実が入る余地はありません。ジーターもあくまで勝てるチームづくりをするでしょうからね」(同)
イチローが41歳のシーズンを迎えようというとき、獲得に名乗りを上げたのはマーリンズだけだった。そのマーリンズで戦力外になったら、いよいよメジャーにイチローの居場所はなくなってしまう――。