現役引退か続行か 巨人・阿部の「進退」は早実・清宮次第
逆転CS出場を狙う巨人の4番・阿部慎之助(38)の右足の状態が心配されている。
5日の中日戦で右足親指に自打球を当てて途中交代。6日の試合は欠場し、ベンチにも入らずに治療に専念した。8日のヤクルト戦で復帰したものの、3打数無安打。この先も不動の4番が戦線離脱するようなら、4位巨人にとっては大きな痛手だ。
先月13日に2000安打を達成。巨人の生え抜きでは川上、長嶋、王、柴田に次ぐ5人目の快挙だった。阿部は「それで辞めるのを考えるのもなんだし……。通過点にしたいけど、井口さんが43歳になる年までやったから、次の目標にしようかな」と話していたが、「燃え尽き症候群じゃないけど、記録を達成した後も気持ちを保ちながら成績を残し続けるのは、確かに難しいところはあります」と1983年に西武で2000安打を達成し、翌84年に引退した評論家の山崎裕之氏がこう続ける。
「私は達成後も通過点と思ってプレーしていたが、翌年はオープン戦から調子が悪く、開幕戦の打順が9番だったのがショックでね。それからは2打席で交代させられたりして気持ちが切れてしまった。同じような境遇だった同僚の田淵(幸一)と6月に『2人で辞めようか』と話したのを覚えています。ただ、阿部の場合は4番。必要とされているうちは、あちこち痛くてもやるべきです。そのうち自分のプレーが許せなくなる日がくる。その時が辞め時。長年補強に頼ってきた巨人は、主砲を任せられる彼の後継者が育っていません。阿部は辞めたくても辞められないのが実際のところでしょう」