米では“札付き”問題児 竜ゲレーロは国内3球団で奪い合い
阪神は右の大砲が補強ポイントだ。7月に入団して4番も務めたロジャースは5本塁打で26日に二軍落ち。キャンベルは打率・191、1本塁打、5打点で6月7日に登録を抹消されたままで、ともに今季限りが確実だ。
金本監督は生え抜きの若手育成を重視。今季は7年目の中谷(24)が20本塁打をマークしたものの、彼に続く若手が出てくる保証はない。若手成長株の中谷にしても、果たして4番を任せるほどの器なのかどうか。そもそもエースや4番は育てられるものではないといわれる。長打力は天性の部分が大きいからだ。
ゲレーロは昨オフ、阪神がリストアップした助っ人でもある。
くしくも、阪神と補強ポイントが重なるのは巨人だ。
今季の521得点はリーグ4位。広島の721得点とは、ちょうど200点差である。得点力不足のチームにあって、何より欲しいのが長距離砲なのだ。
4番の阿部(38)は15本と衰えが顕著。チームトップのマギーが17本、長野が16本、坂本勇が14本、村田が12本で続き、セ・リーグで20本塁打以上の打者が一人もいないのは巨人だけ。かつて空中戦といえば、狭い東京ドームを本拠地とする巨人の専売特許だったが、今は逆に「泣きどころ」となっている。
高橋監督は来季が3年契約の3年目。勝負の年だけに、フロントも全面的にバックアップするに違いない。
かくして、メジャーがサジを投げた問題児を、日本の金満球団が札束を積んで奪い合う図式になりそうだ。