日馬富士事件でも悪役に 貴乃花親方はなぜ敵ばかりつくる
現役時代の実績も、かたくなな性格に拍車をかける。横綱在位49場所は歴代5位で、優勝22回は同6位。ガチンコの真剣勝負で、ハワイ出身の巨漢力士もなぎ倒してきたというプライドは相当なものだ。
「八百長に一切、手を染めず、横綱としての務めを果たした自分こそが“大相撲の正義”という自負がある。それで終始一貫して迎合せず、頑固に自分の考えを通そうとするのです。自分に批判的なコメントをした評論家に内容証明を送りつけ、訴訟をちらつかせることも少なくありません。もっとも、今回明らかになったように、土俵の外で暴力沙汰が繰り返されているのは確かだし、何かあってもすべて内部で適当に処理されてきた。貴乃花からすれば、今回も理事長に報告すれば、うやむやにされてしまうと思ったのでしょう。協会に諮らずに警察の捜査に委ねるなんて初めてのこと。第三者を入れることで膿を出すべきだと考えたのでしょうが、いかにも潔癖な貴乃花らしいやり方です」(事情通)
ただし今回の騒動で、「貴乃花理事長」誕生の目は消えたとされる。古い体質の組織の中では生きられない性格だったか。