元球団社長が追悼 阪神Vを呼んだ星野仙一氏の口説き文句
獲得できたのは金本ひとりだったが、金本獲得が翌年のリーグ優勝につながった。星野監督が電鉄本社の金庫をこじあけた成果は大きかった。
星野監督とはチーム作りに関して、よく話し合った。のちに本人は「阪神の監督時代に、最も話をしたのは野﨑社長だった」と言っていた。ユニホームを着ると起こるストレス性高血圧。優勝した03年はわたしが記憶しているだけで3回は倒れた。監督退任後は、球団社長になってもらって、わたしが副社長として実務面で支える構想があったが、久万オーナーに反対されたこと……。星野監督とのさまざまな思い出がよみがえってくる。
顔を合わせたのは12月1日、大阪で行われた殿堂入りのパーティーが最後だった。「おめでとうございます」と声を掛けると、「社長も来てくれたんですね。ありがとうございます」。その後、握手をした。そのときは具合が悪いなどとは思いもよらなかった。途中で少しイスに座ったものの、長時間話したり、関係者に挨拶をしたり、精力的にみえた。
とにかく突然の訃報に驚いている。ご冥福をお祈りいたします。