ネリへの対応「日本は甘すぎる」 伝説のレフェリーが苦言
冒頭の森田氏が言う。
「昔、私がレフェリーをしていた頃は海外でも何度か体重超過はありました。その場合は試合を1日延期して体を絞らせるなど、規定を超えたまま試合はさせなかった。ところが、日本の場合はテレビ放映の都合もあるので、直前に延期・中止ということができない。日本は甘すぎます。これが海外ならプロモーターが激怒し、『これでは試合はできない。当然ファイトマネーも払わない』となってもおかしくない」
近年では、ラスベガスで行われる予定だった15年の世界バンタム級の統一戦で、米国人ボクサーが2.5キロオーバー。試合中止となっている。
山中はネリの計量時、思わず「ふざけんな」と漏らした。昨年8月の対戦では、ドーピング疑惑のネリに敗北。一時期は引退も決意しながら、ラストマッチのために再戦に臨んだ。それだけに気持ちが切れたことは想像に難くない。
「(階級が細かく分かれている)軽量級の試合数は日本がトップクラス。第2の山中をつくらないためにも、ネリのようなボクサーには厳罰を下せるシステムを作るべきです」(前出の森田氏)
これ以上、インチキボクサーはいらない。