改めて証明された 高梨沙羅の五輪銅は“最高のピーキング”
平昌五輪500メートルで念願の金メダルを手にした女子スピードスケートの小平奈緒(31)。1000メートルでも銀メダルを獲得し日本中を沸かせたが、直後の世界スプリント選手権(中国・長春)最終日は、体調不良により最後の1000メートルを棄権。日本勢初の総合2連覇を逃した。
一方、五輪後のW杯でも表彰台のトップに立てないのが女子ジャンプの高梨沙羅(21)だ。歴代単独最多のW杯通算54勝を目前にしながら、今季の最高成績は2位(3位5回)。五輪で銅メダルを首にブラ下げた後の2大会(ルーマニア・ルシュノブ)も7位、4位。五輪前最後の大会から数えて、3戦連続で3位以内を逃すのは自己ワーストだ。
ルーマニアでの2大会は、平昌五輪金のルンビ(23=ノルウェー)と銀のアルトハウス(21=ドイツ)がそれぞれワンツーフィニッシュ。ここでも実力の違いを見せつけたわけだが、今季通算8勝のルンビは3試合を残し、2季連続で高梨が守ってきた個人総合優勝の座に初めてついた。
高梨だって前回のソチ五輪の前は、W杯13戦で10勝と勝ちまくり、シーズン最多勝記録で堂々の現地入り。前年は初のW杯個人総合優勝も果たし、「絶対女王の高梨の金メダルは120%間違いなし」とさえいわれていた。それが本番は追い風の不運もあったが、ガチガチに緊張し、まさかの4位に終わった。
あれから4年……平昌では雪辱は果たせなかったものの、今季の成績を見れば、銅メダルは最高の結果だったことは自身がよくわかっているはずだ。