シンパは3人のみ…貴乃花親方「告発状」提出の真相と勝算
しかし、それらはすべて、自身の言動を棚に上げたうえでのことだ。
貴乃花親方はこれまで4期8年もの間、理事を務める執行部の人間だった。協会に対して言いたいこと、やりたいことがあればいくらでもできたはずだ。
にもかかわらず、それをしなかった。理事会で解任案が出て意見を求められたときですら「別にありません」「いえ、特に」と言うだけだった。ホームページには「評議員会は、私が求めた弁明の機会を与えず」とあるが、そもそも評議員会は理事会での決議を承認する機関だ。
理事解任が不当だと思えば、まずは理事会でその旨を訴えるべきだった。
これまでやるべきことをやらなかったのに、理事でなくなった途端、テレビや週刊誌上で騒ぎだした。そして今回は内閣府への告発だ。代理人弁護士は理事への返り咲きを望んでいるわけではないと説明しているとはいえ、自身の正当性を主張しながら執行部批判の目的はズバリ、それなりの地位であり肩書。それも協会トップのイスで、要するに私利私欲だ。
そもそも暴行事件の調査に非協力的な上、度重なる公式行事を欠席。昨年の冬巡業では巡業部長の任を解かれたわけでもないのに、協会からの電話を一切無視した。職務放棄は明らかで、理事解任は当然の結果だ。