ダイヤモンドバックス平野はなぜこうも注目されないのか
そう考えると、日本の野球報道にとっては「なにをしたか?」よりも「誰がしたか?」のほうが重要なのだろう。平野の“活躍”よりも“大谷”の故障、“清宮幸太郎”の二軍戦、“斎藤佑樹”のお馴染みのKO劇のほうがニュースとしてはバリューがある。もちろん、その理屈は簡単なのだが、なんだろう、このやりきれなさは。なぜにこうも平野は注目されないのか。
平野は決してポッと出の投手ではなく、オリックス時代からパ・リーグを代表するクローザーだった。最多セーブや最優秀中継ぎ投手のタイトルも獲得するなど実績十分の一流プレーヤーであった。また、無名からの叩き上げでもない。05年のドラフト希望枠でオリックスに入団し、ルーキーイヤーにリーグ2位の10完投(うち4完封)を記録したエリート。そもそもオリックス自体が過去にイチローや田口壮、長谷川滋利を輩出するなど、日本球界屈指のMLB成功者製造工場だ。
だから、本来なら平野はメディアに注目されやすい引っかかりを備えているはずなのだ。決して地味な選手ではないはずなのだ。それにもかかわらず、なぜにこうもニュースバリューに乏しいのか。不思議な選手だ。