著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

メジャー球団拡張構想とレイズの本拠地移転計画の因果関係

公開日: 更新日:

「球団拡張」と「本拠地移転」という2つの話題には関連がないように思われる。既存の球団に加えて新たな球団がリーグに参画する「球団拡張」と、既存の球団が本拠地を移転させる「本拠地移転」とは、おのずから性格が異なるからだ。

 しかし、既存の球団が本拠地を移転させるとともに、新たな球団がリーグに参画することはあり得るから、「球団拡張」と「本拠地移転」が同時に起きる可能性は皆無ではない。

 そして、大リーグ・コミッショナーのロブ・マンフレッドが在任中に大リーグの球団数を現行の30から32に拡張させる計画を発表したことと、タンパベイ・レイズが新球場の建築計画を公表したことも、互いに関係のない出来事のように思われながら、実際には密接なつながりを持っている。

 マンフレッドは7月17日にFOXスポーツの番組で米国のポートランド、ラスベガス、シャーロット、モントリオールなどの7つの都市を挙げて球団拡張に意欲を示した。

 ポートランドやラスベガスはこれまでも球団拡張が行われるたびに本拠地の候補として名前が挙がっているし、シャーロットなどにはマイナーリーグや独立リーグの球団が所在する。また、モントリオールは04年までエクスポズが本拠地としていた。いずれも野球とかかわりの深い都市だけに、球団拡張の際の候補地として適切と言える。

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