いつの世も「ダービーだけは負けられない」
ミランのGMを務める元ブラジル代表MFレオナルド、彼を補佐する元イタリア代表DFマルディーニ、元ウクライナ代表FWで今は母国の代表監督を務めるシェフチェンコ、そして指揮官の元イタリア代表MFガットゥーゾと言わずと知れたミランの黄金時代を支えたスーパースターです。
彼らの姿を見ていたら00―01年シーズン終盤のダービー(01年5月11日)を思い出しました。
このシーズンは、中田英寿選手が所属していたローマが、実に18シーズンぶりにスクデット(優勝盾)を手にしました。
元日本代表FW原博実さん(Jリーグ副チェアマン)を解説者に迎えて現地ミラノ市で実況したのですが、試合前の原さんの「両チームにとって暗いシーズンだったとはいえ、ミラノ・ダービーは別だよね」というコメントが印象的でした。
試合はミランがFWシェフチェンコの2ゴールなどでなんと6―0という歴史的な大勝を収めました。試合前、老将マルディーニ監督が息子(DFマルディーニ)を含めたミランの選手に「優勝の可能性はないが、ダービーに負けることは許さない」と檄を飛ばしたことを鮮明に覚えています。あってはならない記録的な大敗にインテリスタは、並々ならぬ殺気をみなぎらせていました。
そんな彼らに囲まれたら、無事にスタジアムから出られるのか、保証はありません。「大丈夫でしょうかね?」と原さんと顔を見合わせたことも懐かしい思い出です。