「心にスキをつくるな」バス内で古田監督に1時間特別指導
■監督賞の封筒は今も大事に
バスに揺られながら何とか直立不動を保ち、一言一言を頭に叩き込みます。自分の席に戻ってふと車内の時計を見ると、1時間近く経っていた。そのときばかりはさすがに足がフラフラでした。
古田監督はたびたび、監督室で指導してくれました。捕手の米野智人さんや1歳年下の飯原誉士(現BC栃木)と一緒に、手に汗握りつつ監督室のドアをノックすることが多かったように思います。
古田監督は一つ一つのプレーに対する「考え方」を大切にしていました。四球に対することもそのひとつです。
「バッテリーは、打ち取れると思う打者には四球を与えない。自ら取りに行く努力をしろ」
四球は相手投手がストライクが入らないなど、たまたまの結果だと思っていましたが、自分で取りに行くものだと意識するようになりました。
当時24歳だった僕はこんな話も聞きました。
「社会に出て24、25歳でリーダーとして引っ張っている人間だっているんだ。そういう気持ちを持って野球に取り組め」