単なるシート打撃が…デカデカと見出しになる阪神の“悲哀”
去る6日付のデイリースポーツにて「阪神・ドラ1近本&ドラ3木浪、聖地初H」という見出しの記事がネット配信された。虎党の私は思わず見出しをクリックして本文に目を通したのだが、途中で少しがっかりしてしまった。この「聖地初H」とは甲子園でのオープン戦でも練習試合でも紅白戦でもなく、全体練習の“シート打撃”での出来事だったのだ。
そう、シート打撃である。確かに実戦形式の練習ではあるのだが、それでもあくまで打撃練習であって実戦ではない。その打撃練習において阪神のルーキーコンビ(近本光司&木浪聖也)が共にヒットを放ったということが、阪神応援芸で知られるデイリースポーツでは記事の見出しになってしまう。この事実に複雑な心境になったわけだ。
しかし、その一方でデイリーの苦労もありありと伝わってくる。なにしろ、ここまでの阪神には明るいニュースがほとんどない。矢野燿大新監督が就任し、昨季最下位からの巻き返しを目指してはいるものの、オープン戦7試合を消化した時点でいまだ白星なし(6敗1分け)。注目の新外国人大砲・マルテもまだまだ不発が続いており、大山悠輔や中谷将大といった和製大砲候補もパッとしない。キャンプでは好調だった北條史也もオープン戦では結果が出ず、投げては迷える怪物・藤浪晋太郎が良かったり悪かったりの繰り返し。頼みはメッセンジャーや福留孝介、糸井嘉男などベテラン陣にFA加入の西勇輝という近年すっかりおなじみのパターンだ。