渋野日向子フィーバーが覆い隠す女子プロ協会のゴタゴタ

公開日: 更新日:

「協会は日本選手を海外に送り出すシステムやレベルアップさせる努力を何一つやってこなかった。海外へ出ていくのなら勝手にやればいいという態度がずっと続いている。その点、国内専念を明言している渋野に関しては、会場での警備など至れり尽くせりでしょう。ただ、渋野の全英優勝の偉業により、樋口久子の1977年全米女子プロ優勝から42年間もメジャーに勝てなかったのはナゼかという、国内女子プロの本質的なレベルの問題の他に、放映や主催者権に関するゴタゴタなどもみんなウヤムヤになってしまう」(前出の宮崎氏)

■スポンサーも海外挑戦後押し

 日本人のメジャー優勝は樋口と渋野の2勝だけ。しかし、韓国選手はすでに30勝を挙げており、今季だけでも3勝。しかも2011年から9年連続で韓国人選手はメジャーに勝っている。

「韓国選手のメジャー優勝は何も珍しいことではなく、渋野のように国中が大騒ぎすることもありません。韓国にとって女子プロゴルファーは世界に誇る“一流商品”という意識があって、協会は米ツアーに送り出すことで韓国女子ツアーの地位を高める“ビジョン2028”という10年計画を進めています。もちろん協会だけでなく、スポンサーも韓国内でくすぶっているのではなく、世界で活躍して欲しいと海外挑戦を応援している。韓国選手は多くが米ツアーで実績を残してきたが、それは海外に挑戦しやすい環境を国中でつくってきたからです。日本と韓国との大きな違いはそこでしょう」(ジャーナリスト・太刀川正樹氏)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

  3. 3
    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

  4. 4
    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  1. 6
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

  2. 7
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  3. 8
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 9
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  5. 10
    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ

    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ