今村G社長が激白 菅野の入札メジャーは「体調を見ながら」

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選手が猫も杓子もメジャーと言うのはメディアの影響

 ――坂本も挑戦するかと思っていたが、巨人と長期契約を結んだ。

「メディアの人がメジャーが上で日本球界が下という構図をつくりたがるわけです。みんなつくっていますよ。一般の人にそう印象付ける。そういうの分かってないでしょ?」

 ――と言いますと?

「選手がそう言うのもメディアの影響。刷り込まれているからそうなる。野球の質だとか、この選手はメジャー向きだとか、球質だとか選手は考えるんです。マスコミはメジャーが凄くて日本野球が下のように、二極化したがるでしょう。あれはどうかと思いますね。マスコミって分かりやすい構図にしたがる。いいことも悪いこともある。メジャーリーグの厳しさって言わないでしょう? 平均年俸いくらとか、いいことばっかり。遠征の過酷さ、メジャーとマイナーの格差とかは報じませんよね」

 ――報道の仕方が悪い?

「日本野球は文化。メジャーでやることが全部いいとは思わない。コリジョンルールだってアメリカがやったからすぐにやるとか。どうかと思いますよね。日本のルールを作らないと。もうちょっとそういう視点でモノを言える人が出てこないとダメ。ないですよ、毎試合満員のお客さんが入ってくれる、こんなスポーツ文化、他にないですよ。より良くするために頑張るつもりです」

 ――改めて球団としてポスティングは容認するということですか?

「山口君の場合、その前にFA入団の時の条項があった。最終的に選手に選択権があるようにしたい。菅野君もきっと自分の今の体調などを見ながら選択するんじゃないですか。彼には今シーズンが終わってから話をしようって言っている。やはり30歳を越えると、峠を越えちゃうから、今後はFA権の取得期間を短くするとか、ルールが変わっていくかもしれません」

■プラットフォームが増えた今、地上波中継が増えることはない

 ――今年の地上波での中継は19試合。昔より減っています。日本テレビ出身の今村社長がテレビ局に働きかけて、かつてのように中継数を増やすことはありますか?

「ないでしょうね。昔は地上波しかなかった。(夜)7時から9時までのある面、商品の一部だけを放送していた。それが今はBS、CS、インターネットで、プレーボールから試合終了まで見られる。本当に好きな人は最初から最後まで見られる。一方で地上波で楽しみたい人もいる。プラットフォームが増えたと強調した方がいいんです」

 ――テレビで巨人戦を見るのも金を払う時代?

「お客さんがどう考えるかじゃないですか。今のテレビは、みんなが見られるという地上波の価値は確かにあります。好きなスポーツ性、専門性があるBS、CS、ネットだとか、有料課金のような方向で二極分化していくと思うんです。好きな人は前者、一般的に見たい人は地上波を見る。地上波で野球という意味では、今僕は情報番組やバラエティーにジャイアンツの選手が出ていって、日本中の人に注目されるようにしたいと思っているんです。価値観がいろいろというか、バラバラになってきている。地上波でプロ野球をやれれば、いいことはいいんですけど」

 3回目は、坂本勇人がCMに出演するなど巨人選手の知名度アップ戦略などを聞く。

(聞き手=増田和史/日刊ゲンダイ

∇いまむら・つかさ 1960年5月10日生まれ、59歳。神奈川・横須賀市生まれ。横須賀高、東大文学部を経て85年に日本テレビ入社。プロ野球中継などに携わったほか「ザ!鉄腕!DASH!!」などの人気番組を手掛ける。2015年から17年まで侍ジャパンの事業を担う「NPBエンタープライズ」社長を務めた。19年6月に巨人球団社長に就任した。

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