アテネ五輪準決勝敗退の日本代表救った長嶋監督からのFAX
技術は自分たちがナンバーワンという自負はありました。でも、技術だけでは勝てないのが五輪だった。「負けられない」という思いが空回りし、0―1でまさかの準決勝敗退。あの時の日本代表の雰囲気をどういった言葉で表現すればよいのでしょうか。
まず、これで金メダルはなくなった、という事実。そして同じ相手に連敗した事実。0―1というスコアも、「どこかに勝つ要素があったんじゃないか……」と、余計に代表チームを落ち込ませました。
そんな僕らを救ってくれたのが、長嶋監督でした。五輪前に無念の離脱となってしまいましたが、日本ではすべての試合をテレビ観戦。試合後は誰かに代筆してもらったFAXを僕らに送るのが恒例となっていました。
■「負けたのは残念だけど…」
準決勝敗退の夜、長嶋監督から送られたFAXにはこうありました。
「負けたのは残念だけど、君たちの戦う姿をしっかり見ることができた。日本の皆さんにも、それは伝わっていると思います」