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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神が85年から現在まで“リリーフ王国”であり続ける謎解き

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 クローザーがこれだけ優秀なのだから、当然そこにつなぐセットアッパーについても、阪神はその育成・補強・運用に長けている。歴代のセ・リーグ最優秀中継ぎ投手賞を振り返っても、藤川と久保田はもちろん、他にも福原忍、桑原謙太朗、マテオと阪神投手陣の名前がいくつも並ぶ。あの伝説のJFK以降も17年に話題になった60試合登板クインテットを誕生させるなど、すぐれたリリーフ投手陣の継続的な維持に関しては12球団屈指と言っていい。

■日本一の1985年

 それにしても、この秘密はいったいなんなのだろう。阪神は甲子園というピッチャーズパークを本拠地にしているためか、もともと投手力には長けたチームなのだが、とりわけリリーフ陣の整備については圧倒的なものがある。かつて岡田彰布監督時代、中西清起投手コーチがJFKをはじめとしたリリーフ陣の整備を担当していたのは有名な話だが、その時のメソッドが中西コーチ退団後も脈々と受け継がれているのだろうか。だとしたら、中西コーチの残した功績は極めて大きい。

 その中西清起も現役時代は主にリリーフ投手として活躍し、日本一に輝いた85年には最優秀救援投手のタイトルを獲得した。思えばあのころも、彼の他に山本和行や福間納など優秀なリリーフ投手がそろっていた。現在まで続く虎のリリーフ王国は85年を発端としているのかもしれない。

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