32年五輪はブリスベン最優先 IOCは結局“マネーファースト”
■ジェノサイドすら不問
この「開催さえできればよい」というスタンスは、22年の北京冬季五輪からも見て取れる。
中国は新疆ウイグル自治区で非人道的行為を行っているとされ、アメリカは1月中旬、カナダは2月22日にこれをジェノサイド(大量虐殺)と認定した。
それでもIOCのバッハ会長は「スポーツを政治問題にすることには反対する」と、この国で“平和の祭典”を開催する姿勢を崩さない。
札幌市が立候補している30年冬季五輪の開催地も、今年中に決定される可能性がある。今回、大会組織委の森喜朗前会長(83)が放った女性蔑視発言や、後任に就いた橋本聖子新会長(56)の過去のセクハラ問題が海外メディアにも取り上げられ、国際的信頼を大きく損なったものの、IOCはあくまでもマネーファーストというスタンス。カネがあって「開催さえできればよい」のだから、女性蔑視発言やセクハラ問題が足かせになることはなさそうだ。