準決勝は格下のカナダペアに苦戦「ヤバい。緊張してミスしてる」と弱音を…
後がないファイナルゲームを前に、令佳には「ヤバい。めちゃくちゃ緊張してミスしてる。本当にごめん」と正直に打ち明けました。
私のミスもあって試合のリズムがつくれず、令佳の足を引っ張ってしまい、「もうイヤだ。逃げたい。逃げたい」と弱音まで吐きました。極度の緊張から表情がこわばっている私を、令佳は「先輩ならできるから、大丈夫」と励ましてくれたのですが、パートナーも内心は不安でたまらなかったそうです。
令佳は後になって「あの時、先輩がヤバいなんて言うから、大丈夫と声をかけたけど、本当にどうしようと思った。あんなこと、先輩が言ったことなかったから」と笑っていました。
どちらか一人が悪ければ、もう片方がカバーできるのが私たちの強みでした。これまで何度も助け合ってきました。最後のセットは私が頼りにならないと思ったのでしょう。令佳は私をリラックスさせようと、いつも以上に笑顔で声をかけてくれました。パートナーが引っ張ってくれるので、ファイナルゲームはとにかくつまらないミスだけはしないように心掛けました。中盤で引き離して21―13で最終ゲームを奪って、決勝進出を決めました。
この時点で、銀メダル以上が確定していたので、すでに肩の荷が下りたような気になっていました。 =つづく