【卓球】シングルス惨敗の要因は「Tリーグ」か…中国は徹底した防御策を敷いてきた
それを警戒してか、東京五輪が近づいた19年、中国は選手の参加を見送る方針を固めた。18年秋にスタートしたTリーグは当初、中国のトップ選手も招聘して人気を高める算段だったが、在籍するのは代表クラスではなく、昨季時点で中国選手は男子2人のみ。東京五輪に向け、徹底した「防御策」を敷いた。
中国と同じようにTリーグにNOを突き付けたのが伊藤だ。「東京五輪で金メダルという結果を出すことが一番と考え、限られた時間を強化に専念する」との理由で参加を見送った。
昨年11月、新型コロナウイルスの影響で日本卓球協会が公式派遣を見送った中国遠征にも独自参戦。その舞台裏に密着した「NHKスペシャル」で、練習を終えた伊藤に中国の五輪代表で金メダル候補の孫穎莎(20=同3位)が練習試合を提案。その様子を中国女子代表監督がスマートフォンで撮影する姿が放送された。緊張感のある国際試合に飢えていた伊藤は、中国に研究されることを承知で、苦しい隔離生活が待っているライバル国に乗り込んだ。
中国が「大魔王」と恐れる理由がここにある。