巨人の連敗脱出は「すべて岡本にかかっている」と“師匠”…4番急失速の原因もズバリ指摘
それでも巨人の連敗は止まらなかった。
19日のDeNA戦。二回に広岡の2ランで幸先よく先制したものの、一度は逆転され、八回にドローに持ち込むのがやっと。10連敗を止めることはできず、4位広島との3ゲーム差は変わらなかった。
「なんとか、クライマックスシリーズ(CS)出場圏の3位を死守したい。全ては4番の岡本和真(25)にかかっている」と言うのは、巨人、広島で打撃コーチなどを歴任した内田順三氏だ。
現在、打率.265、打点はリーグトップの112、本塁打は村上宗隆(ヤクルト)と並ぶトップの39本。鈴木誠也(広島)が1本差の38本で追う展開だ。岡本は15日のヤクルト戦で9月24日以来の39号を放ったものの、破竹の勢いで追い上げる鈴木誠と比べ、明らかに失速気味だ。2年連続で「2冠」を達成すれば、球団では1976、77年の王貞治氏以来の快挙となる。岡本と鈴木誠の2人の育成に尽力した内田氏がこう続ける。
「チームが勝てないことで、4番として焦りを感じているのだと思う。センターから右中間方向へ長打が打てるのが特長ですが、岡本が苦しむ時は力んで引っ張る傾向が強くなるため、センターに飛ぶ打球がショートゴロになったり、上に上がる打球がゴロになってしまう。その傾向が出ている。今は破壊的なスイングは必要ありません。力を抜いてセンター返し。もしくは逆方向。4打席目に右前へ安打したような意識で打席に入ること。ここまできたら、一球一振りに集中する。そうすれば、結果として2年連続の本塁打王もチームのCS進出も見えてきます」
4番の本塁打と伏兵の出現が必要
巨人は今季20度目の引き分けで、13戦勝ち星がない。2017年に喫した球団ワーストとなる13連敗の際、ファーム巡回打撃コーチだった内田氏は「あの時、岡本はまだ二軍の下位打線という立場。他に起爆剤として一軍に推薦できる打者も見当たらず、ファームの雰囲気も暗かったのを思い出します。昔は負けが込むことが多かった広島のコーチ時代、山本浩二監督は『こういう時は元気のあるヤツが必要なんだ』とよく言っていた。イキのいい伏兵が出て来いということで、今の巨人なら、この日先制2ランの広岡、松原、吉川、若林が候補。今は一軍にいませんが、あとは石川ですね。ムードメーカーで、17年の13連敗を止めた試合でも貴重な先制打で、連敗ストップに貢献しましたから」と指摘する。
連敗地獄から抜け出せない巨人に必要なのは、4番の本塁打と伏兵の出現だ。