巨人「原監督続投」を吹き飛ばす“チーム空中分解”の内部情報 「全権のひずみ」とOBも警鐘

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 巨人が凄まじいペースで負けまくっている。

 もっか4年ぶりとなる球団史上4度目の10連敗中。8月25日に最大15ゲーム差をつけていた4位広島に3差に迫られている。

 8月29日には阪神との最大8ゲーム差を逆転し、150日ぶりの首位に浮上した。しかし、長くはもたなかった。9月は6勝14敗5分け、10月は2勝10敗2分け。9月2日に最大15あった貯金は、プロ野球史上2番目に速い35試合で底をついてしまい、借金2となっている。

 チームが好調だった8月の時点では、3年契約が切れる原辰徳監督(63)は来季も続投の方向で話が進んでいた。さるチーム関係者がこう言う。

「阪神を逆転して首位に立ち、リーグ3連覇に向かっていた頃です。原監督もやる気満々で、来季は自身の後継者として阿部二軍監督を一軍ヘッドコーチに据えるプランだった。引退後の2年間、二軍監督を任せた阿部を今度は一軍で勝負の場を経験させるため。そして、自身の傍らで帝王学を授け、2年後に晴れて一軍監督の座を禅譲する。元木現ヘッドコーチには三軍、もしくは二軍監督として若手の育成を任せるという青写真だったのですが……」

 それが、この歴史的大失速で吹き飛んでしまいそうだという。

■3年目の最終盤でチームが空中分解

 原監督の方針で9月に入り、先発投手を6人から5人に厳選し、登板間隔を中6日から中5日、中4日に短縮したものの、これが完全に裏目。先発投手は最近20試合連続で勝ち星がない。チーム防御率はリーグ4位の3.64。打線はこの10連敗中、9試合連続で2得点以下の貧打にあえいだ。チーム打率は同5位の.242。投打ともにひどい状況である。

「『全権』原監督も3年目。過去2年間はリーグ連覇を果たしたことで、不平不満は最低限で済み、表面化しなかった。それが、今年は中4日や中5日制の導入により、先発陣が早期降板し、リリーフ陣も酷使することになるという悪循環。コーチ陣も『監督が言うんだから』といった具合で大した説明もしてくれない。野手陣にしても、最後まで打順が定まらず、多くの選手は不満を募らせている。暴力事件を起こした中田をトレードで獲得して即座に使ったのも大きかった。みんなおかしいと思っているのに、原監督という“独裁者”ににらまれるのを恐れ、誰も声を上げられない。投手も野手も、原監督への不満はもちろん、ワンマン采配の言いなりになっているコーチ陣への不満がたまりにたまっていた。選手との溝が表面化しないのは勝利あってこそ。3年目の最終盤にきてチームは空中分解してしまったのです」(前出の関係者)

複数の巨人OBが痛烈ゲキ

 巨人OB会会長の中畑清氏は「ここ1カ月、気になっているのは巨人の選手から熱量を感じないことだ。巨人の選手が無気力に思える。OB会長として恥ずかしく思うと同時に、ファンが離れていくんじゃないかと不安になった。ズルズル負け続けるようなら、原監督の進退にも関わってくるんじゃないかと心配している」と評論家を務めるスポニチ紙上で指摘。巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)もこう警鐘を鳴らす。

「勝負どころの9月あたりから、チームに一体感がないというか、選手たちが淡々とプレーしているのが気になっていた。感情を出しながらプレーしているのはウィーラーと中田くらい。『全権監督』に何もかも持たせてしまったひずみが生じているのではないか。契約が切れる今こそ、これを正さないと、巨人は取り返しがつかないところまできてしまっています」

 10日付の日刊スポーツが「原監督が来季も続投する方向で調整」と報道するや、ネット上は「原が身を引くまで読売新聞の購読をやめる」「(選手を)外から取るばかりで生え抜きが育っていない。中田、井納は取る必要あった?」「原監督のチームづくりの限界。続投の文字を見て本当にガッカリした。最近の試合は見る気持ちに全くならない。ファンがいなくなるよ」といった巨人ファンの辛辣な声であふれ返った。親会社が恐れるのは、こういったファン離れ、読売新聞離れ。原監督の続投がここにきて白紙に戻ったのは、まさに自業自得である。

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