著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

今年のワールドシリーズは父親に軍配…メジャー歴代「ファミリー対決」の人間模様

公開日: 更新日:

 1975年にはナックルボーラーのフィル(ブレーブス)とジョー(アストロズ)のニークロ兄弟が投げ合った対決があった。弟のジョーが兄フィルのナックルをレフト席に叩き込んだソロアーチが決勝点となって4―3で弟に勝ちが付いた。ジョーはナックルボーラーでは兄フィルの通算318勝に次ぐ221勝を記録した大投手だが、打つ方はからきしダメで1165打席で本塁打は1本だけ。その1本がこのアーチだった。

 2009年にはドジャース対エンゼルスのLA同士の試合でジェフ・ウィーバーとジェレッド・ウィーバーの兄弟対決が実現した。LA在住の両親(父デーブ、母ゲイル)はゲームが近づくにつれてどちらにも負け投手になって欲しくないという気持ちが募り、中立をアピールするため、レプリカユニホームの真ん中をタテに断裁して片側半分がド軍、もう半分がエ軍のユニホームになった応援ウエアを作り、それを着て球場で観戦した。これは大うけでテレビカメラに何度も映し出されたが、肝心のジェフとジャレッドの兄弟は序盤から制球が定まらず、結局10安打5失点でKOされた弟ジェレッドが負け投手、6安打されながらも五回まで何とか持ちこたえた兄ジェフに勝ちが付いた。メディアの中には「内容的にはどちらも負け投手。本当の勝ち投手はウイットのきいた中立ユニホームで球場を盛り上げたご両親」と書いたところもあった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド