ストライキの懸念も…新労使協定を巡る交渉が難航するカラクリと波紋
新しい労使協定を巡る機構・経営陣と選手会の対立が深刻になっている。
米国東部時間の12月1日23時59分、現行の労使協定は失効する。もしそれまでに新協定が締結されなければどうなるか。経営陣が選手の排除を行い、各球団で40人枠に入っている選手の移籍やフリーエージェント(FA)選手との契約交渉も停止する。さらに、毎年12月初旬に行われるウインターミーティングについても、大リーグ関連の会合などは中止され、マイナーリーグや業者間のみの参加になる公算が大きい。
今後の展開を見越して、有力なFA選手を顧客とする代理人の中には、契約交渉を11月中にまとめるべく活発な動きを見せる者もいる。現時点で妥結の見込みがなく、機構側が「FA資格の取得は29.5歳」「年俸調停制度の廃止」「FA資格取得前の選手の年俸を総合指標WARに基づいて算出」といった選手会には受け入れがたい提案を行うなど、事態は紛糾の度を増している。それだけに、出来るだけ早く移籍先を見つけようとするFA選手や代理人の考えは、労使交渉の状況に照らしても妥当なものだ。
ところで、1995年以来26年ぶりのストライキの懸念も高まるほど労使交渉が難航する理由は、何であろうか。