メジャーGM会議で「鈴木誠也」の名前飛び交う 金満ヤンキース参戦ならあるぞ100億円契約!
メジャーのGMミーティングは、各球団の編成責任者や代理人たちが一堂に会し、来季に向けた補強に関する情報交換を行う場だ。
今年は日本時間10~12日にカリフォルニア州カールズバッドで行われたが、出席者の間で大きな話題になったのが広島の鈴木誠也(27)。広島はまだ何も発表していないのに、米国では今オフ、ポスティングで海を渡るのが既定路線のように報じられ、会場のあちこちで鈴木の名前がポンポン飛び出した。
マリナーズのディポトGMが「日本人選手抜きで来季開幕を迎えることはないだろう」と鈴木獲得に乗り出すことを示唆すれば、メッツ、ジャイアンツ、レッドソックス、レンジャーズなども鈴木の調査をしていることが露見。メジャー球団のあるスカウトがこう言った。
■5ルーツプレイヤー
「鈴木はミート力、長打力、走力、守備力、送球力のそろった、いわゆる5ツールプレーヤー。今季まで6年連続打率3割、25本塁打は、王貞治、落合博満に次ぐプロ野球史上3人目の快挙だと聞きました。外野手としての守備範囲は広く、肩も強いうえ、2年前に25盗塁をマークしたように足も速い。メジャーで2割7、8分、20本塁打をマークできるとソロバンをはじく球団も中にはある」
ポスティング申請期間が通常通りに戻った背景
今年のポスティングの申請期間は11月1日から12月5日まで。昨季はコロナ禍でメジャーの開幕が大幅に遅れたため、申請期間が1週間繰り下げられた。ならば日本球界がプレーオフの最中の今季も、申請期間を繰り下げていいはず。なのに通常通りに戻ったのは、労使交渉が関係しているというウワサもある。
現行の労使協定は12月1日で失効する。現在はオーナー側と選手会側の交渉が難航、12月1日までにまとまらない可能性が出てきた。そうなるとFAやポスティングなどの移籍交渉はすべて中断してしまう。その可能性も加味して申請期間を例年通り、早めに設定したというのだ。
つまり、さっさとポスティングを始めて、移籍交渉をまとめてしまおうという思惑がメジャー側に働いた。そんな事情もあって、先のGMミーティングでは会場のあちこちで「鈴木誠也」の名前が飛び交っていたようなのだ。
当初は7球団程度が鈴木獲得に乗り出すとみられていたが、ここにきて争奪戦が一層、熾烈になる可能性が出てきた。
「不気味なのはヤンキースですよ」と、在米特派員のひとりがこう続ける。
「ヤンキースの外野は右翼・ジャッジ、中堅・ガードナー、左翼・ギャロの3人ですが、38歳のガードナーがこのオフ、FAになった。球団だけでなく、本人も再契約できるオプションを拒否しただけに引退もウワサされている。中堅のポジションがあくのです。補強の最優先事項は遊撃手ですが、走攻守と三拍子そろった鈴木が加入すれば外野のディフェンスは鉄壁になる。ガードナーは肩が弱かっただけに、強肩の鈴木の補強は願ったりかなったりでしょう」
■キャッシュマンGMの思惑
鈴木の契約は「総額50億円を超す」ともいわれるが、ヤンキースが争奪戦に加わるとなると話は別だ。
「編成責任者のキャッシュマンGMは、来季が5年契約の5年目。契約最終年に向けて補強に目の色を変える。今季は地区シリーズにすら進めなかっただけに、再来年以降の契約延長を勝ち取るためにもスタインブレナー・オーナーから莫大な補強資金を引っ張り出すといわれている。ヤンキースが獲得に乗り出せば、同地区のライバル球団であるレッドソックスが黙っていない。そもそも鈴木はノドから手が出るほど欲しい選手だけに、さらなる資金の上積みを検討するでしょう。再建中のレンジャーズにしても資金は豊富なだけに、負けじと札束を積む。ポスティングは移籍金がぜいたく税の対象にならないこともあって、相場は一気にハネ上がります。金満球団によるマネーゲームに発展すれば、総額100億円近い契約になるかもしれません」とは前出の特派員だ。