鈴村裕輔
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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

労使対立の激化は米球界の終わりの始まり 動画配信の一般化で視聴者は奪い合いの状況

公開日: 更新日:

 労使協定の改定を巡り、大リーグ機構及び球団経営陣と大リーグ選手会(MLBPA)とが行っていた交渉が決裂した。

 公式戦は当初予定されていた3月31日の開始が変更され、現時点で最速でも4月7日の開幕となった。試合数も暫定措置として162試合から156試合に削減されることになる。

 大リーグは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた2020年にも公式戦の開幕日を変更し、試合数も60試合に変更している。そのため、日程や試合数の変更そのものは例外的ではあっても、過去に事例がない対応ではない。

 しかし、労使交渉を原因とする変更は、1994年に起きた大リーグ史上最長のストライキの影響を受けた95年以来27年ぶりとなる。

 その後、大リーグは3季にわたり来場者数の低迷を余儀なくされ、98年のマーク・マグワイアとサミー・ソーサの「本塁打新記録争い」によって苦境を脱することが出来たのは、記憶に新しいところだ。

 当時、ワールドシリーズのテレビ視聴率の低下と視聴者数の減少が進み、NFLのスーパーボウルとの差が拡大する一方であった。それでも、「ケーブルテレビの普及によるテレビ視聴行動の多様化」や「重要なのは視聴率ではなく全視聴者に占める割合」といった議論を行うだけの余裕があった。

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