日本ハムが「BIGBOSS」を商標登録できないことが発覚! 第三者がひと足先に出願していた

公開日: 更新日:

新庄フィーバーに思わぬ余波

 今季のプロ野球日本ハム新庄剛志監督(50)に話題が集中。昨年10月に監督就任が決定して以降、スポーツメディアのみならず、バラエティー番組にも多数出演するなどメディアを“ジャック”。2月のキャンプでも連日、一挙手一投足が報じられた。

 そうした成果もあって、3月29日の本拠地開幕戦は、平日開催にもかかわらず早々と完売。ビッグボス関連のグッズはキャンプ地で売り切れが続出。2月25日付の地元紙・北海道新聞WEB版では、札幌にある公式ショップでも新庄監督のユニホームが1番人気だと報じている。

「ビジターでの試合でも、効果は絶大。3月11~13日の広島戦(マツダ)では、まん延防止等重点措置が解除され、観客制限がなかったとはいえ、2万人以上の観客が入った試合もあり、カープファンの間でも新庄監督見たさに、大きな人垣ができたくらいです」(放送関係者)

 そんな新庄フィーバーに水を差すような出来事が起きている。

■出願者は奈良県在住

 新庄監督の肩書である「BIGBOSS」(ビッグボス)の商標登録を巡り、日本ハムよりも先に、日本ハムと無関係と思われる奈良県在住の第三者が特許庁に商標登録を出願していることが判明した。

 新庄監督は昨年11月4日の就任会見の際、「監督って、言わないでください。BIGBOSSでお願いします」と発言。その場で報道陣に「BIGBOSS SHINJO」と印字された名刺を配り、選手たちにも「BIGBOSS」と呼ぶように求めたことで、「新庄監督=BIGBOSS」がファンのみならず一般の人たちにも認知されるようになった。

「ユニホームの背中のネームも『SHINJO』『BIGBOSS』の2バージョンを用意。日本ハムとしても当然、『BIGBOSS』を前面に出してグッズ販売などを展開したい。ところが、いざ特許庁に商標登録を申請する段階で問題が起きた。日本ハムよりも先に、『BIGBOSS』の商標登録を出願した第三者がいるのです」(地元関係者)

2003年「阪神優勝」の二の舞に?

 特許情報が閲覧できるWEBサイト「J-Plat Pat」を見ると、実際、日本ハムが昨年11月22日に申請するより前に、第三者が就任会見4日後の同8日に出願。15日現在も審査中となっており、日本ハムはその審査が終わるまで、審査待ちを強いられているのである(写真参照)。

 そこで想起されるのが、あの阪神優勝」問題だ。

 阪神がセ・リーグ優勝を果たした2003年、阪神とは無関係の千葉県の男性が前年の02年に「阪神優勝」を商標登録していたことが判明。阪神球団はその男性との譲渡交渉が決裂し、特許庁に無効審判請求を行い、06年になってようやく登録にこぎ着けた。

■ロイヤルティーが発生

 浦上総合法律事務所の浦上俊一弁護士が言う。

「日本ハムより先に登録申請した方は、『被服』『運動用特殊衣服』などウエアやユニホームに関わる『第25類』について商標申請を出している。仮にこれが認められた場合、日本ハムは『BIGBOSS』の名称が入ったユニホームなどを販売するには、その第三者に対して商標使用許諾が必要となり、ロイヤルティーを支払わなければいけません。もっとも、今回のケースは特許庁が前もって申請した第三者に対し、商標登録できない理由を記した『拒絶理由通知書』を出している。この第三者が特許庁に対して意見書を出したとしても、おそらく登録が認められることはないと考えられます」

 結果的に日本ハムが商標登録できそうだが、問題はその時期がいつになるのか、だ。

「現時点ではまだ、日本ハムの審査がスタートしていません。昨今は申請数が多いためか、商標の申請から登録まで1年程度の期間を要する傾向があります。ただし今回は『早期審査の対象』となっていますので、審査の開始から2カ月ほどで決着するとみられます。開幕には間に合わないかもしれません。日本ハムの登録が認められるまで、『BIGBOSS』のロゴが入ったTシャツなどは誰が販売しても、ロイヤルティーは発生しないと考えられます」(浦上弁護士)

 もっとも、日本ハムは入団会見で「BIGBOSS」の名刺を報道陣に配っている。もっと早くに商標申請していれば……と言いたくもなるが、新庄フィーバーの余波が思わぬ形で広がっていることだけは確かだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    カブス鈴木誠也が電撃移籍秒読みか…《条件付きで了承するのでは》と関係者

  2. 2

    中日井上監督を悩ます「25歳の代打屋」ブライト健太の起用法…「スタメンでは使いにくい」の指摘も

  3. 3

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  4. 4

    PL学園から青学大へのスポ薦「まさかの不合格」の裏に井口資仁の存在…入学できると信じていたが

  5. 5

    阪神・佐藤輝明「打順降格・スタメン落ち」のXデー…藤川監督は「チャンスを与えても見切りが早い」

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の肩肘悪化いよいよ加速…2試合連続KOで米メディア一転酷評、球速6キロ減の裏側

  2. 7

    新庄監督のガマンが日本ハムの命運握る…昨季の快進撃呼んだ「コーチに采配丸投げ」継続中

  3. 8

    ソフトB「二軍の帝王」を悩ます“王の庇護” 自己評価の高さとパワー、潜在能力は一級品も...

  4. 9

    ソフトB近藤健介離脱で迫られる「取扱注意」ベテラン2人の起用法…小久保監督は若手育成「撤回宣言」

  5. 10

    「負けろ」と願った自分を恥じたほどチームは “打倒キューバ” で一丸、完全燃焼できた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  4. 4

    広末涼子は免許証不所持で事故?→看護師暴行で芸能活動自粛…そのときW不倫騒動の鳥羽周作氏は

  5. 5

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  1. 6

    【い】井上忠夫(いのうえ・ただお)

  2. 7

    広末涼子“密着番組”を放送したフジテレビの間の悪さ…《怖いものなし》の制作姿勢に厳しい声 

  3. 8

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  4. 9

    大阪万博は開幕直前でも課題山積なのに危機感ゼロ!「赤字は心配ない」豪語に漂う超楽観主義

  5. 10

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育