PGAツアーがピリピリ!新ツアー「LIVゴルフ招待」を目の敵にする理由
いまサウジ系ファンドがバックに付き、グレッグ・ノーマンが主導する新ツアー「LIVゴルフ招待」との関わりを巡り、各国のゴルフ団体が揺れている。
PGAツアーはすでに、LIVに出場した選手の出場停止処分を下しており、DPワールドツアー(欧州ツアー)のキース・ペリー・コミッショナーは23日に対応を発表する。
PGAツアーがLIVに対して敵対心をあらわにしているのは、年間7億ドル(約940億円)ともいわれる放映権料が大きく関係している。
年50試合開催なら、1試合当たり18億8000万円ものカネが入ってくるため、大会スポンサー不在でも放映権料だけで試合を開催することができる。それもPGAツアーに世界中からトッププロが集結して、レベルの高い試合を毎週開催しているからテレビ局も高額な放映権料を支払っている。
ところが多くのトッププロがLIVに流出すれば、PGAツアーの価値は下がり、放映権料に見合う視聴率がなければテレビ局の支払いもシブくなる。
幸い、PGAツアーはCBSとNBCを中心に2030年までの長期放映権契約を結んでおり、まだ8年は安泰ともいえる。
だが、交渉は更新の数年前から行われるのが一般的。したがって視聴率低下を何としてでも食い止めたい事情がPGAツアーにあるわけだ。
懸念材料もある。これまでツアー人気を牽引してきたタイガー・ウッズも46歳になり、昨年の自動車事故からプレーに精彩を欠いている。この先も活躍できなくなればツアーの魅力も低下しかねない。