バットが飛んできた後に注意されても遅い! 試合の潤滑油になる「ダメ出し注意喚起」
担当オヤジは一瞬言葉に詰まって、一度講習室から出て行き、帰ってきて言った。
「カーブを曲がった先に落石が路上に転がっているとタイヤが乗り上げたり危険だから注意しましょう、というこってす」
「……だったら『カーブの先に石転がってるよ』と書けばいいでしょ。落石注意じゃ分からん」
オヤジは少しムッとして、「貴重なご意見として担当部署に伝えます」。
注意喚起は分かりやすく、先にやるべし。
日ハムの中島卓也は「ねば~るくん」というあだ名があるぐらいで、打てる球打てない球関係なくファウルでねばる。左打席の流し打ちだから、ほとんど三塁側スタンドに飛ぶ。そのたびに「ファウルボールにご注意ください」の場内アナウンスではアホのようだ。
「そろそろフェアゾーンに打ちましょう」はどうか? それで本人にプレッシャーが掛かり、最後は空振り三振したら、「さんざ粘って三振ですか?次の打席に期待しましょう」はどうか? 注意喚起は時として試合の潤滑油にもなるのだ。
ただし、潤滑油が過ぎて三振が増え、二軍に落とされる危険があるのは、カーブを曲がった先に潤滑油が流れててガードレールを突き破る危険と同様、「転落注意!」。