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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

2年目に本塁打減…“金の卵”佐藤輝明の矮小化で問われる阪神の育成能力

公開日: 更新日:

 阪神の2年目・佐藤輝明が苦しんでいる。昨年のルーキーイヤーにいきなり24本塁打をマークし、前評判通り怪物級の長打力を見せたが、今季はここまで109試合に出場して16本塁打。打率は昨年の2割3分8厘より少し上昇し、三振数も減少したものの、一番の売りであった本塁打まで減ってしまった。

 特に最近の佐藤は本当にパッとしない。ともにクリーンアップを組む近本光司大山悠輔、さらにはトップバッターの中野拓夢までコロナ離脱したことで、今の阪神打線は佐藤だけが頼みの綱といった状態だが、その佐藤が孤軍奮闘するわけではなく、低迷する打線の象徴のように絶不調に陥っている。

 確実性に乏しいのはともかく、一発長打が出そうな雰囲気すらも失っているのだから、寂しい限りだ。このままだと今季の佐藤は成長や覚醒ではなく、矮小化の2年目になりそうである。

 それにしても、この佐藤まで「虎の伸び悩み大砲」の系譜に名を刻むことになったら、いよいよ本当に阪神の大砲育成能力が大きな問題になりそうだ。これまでの阪神では和製大砲候補が伸び悩んで終わるという光景が何度も繰り返されてきたが、そのほとんどはドラフト2位以下の選手であり、たまにドラ1であっても大山悠輔や、古くは萩原誠(1991年ドラフト1位)のように単独1位指名だったりする。

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