GK権田修一 ドイツ戦はPK献上の失態から好守連発!「強靭メンタル」の源泉とは
小学生の頃から権田を知る元FC東京育成部の浅野寛文氏は日刊ゲンダイの取材に「ミスをしても引きずらず、取り返してやろうという強いメンタルや気持ちが最大の武器です」とこう話していた。
「中学3年の夏休みにあったクラブユース選手権の準々決勝・三菱養和戦で、高いボールの処理が得意の権田が2度ミスをして、いずれも失点につながってしまった。さらにPK戦では自らが蹴って失敗。普通の中学生なら落ち込んで引きずってしまうところです。私は敗戦を覚悟しましたが、そこから相手のPKを2本セーブしてチームを勝利に導いた。あの頃からミスをしても引きずらず、取り返してやろうという強い気持ちやメンタルを持っていました。それは今でも権田の最大の武器になっています」
■「ずっと牙を研いでいたんです」
権田は2010年にフル代表に初招集されてからも下積み期間が長かった。第3GKとして出番なしに終わった14年ブラジルW杯後、浅野氏がクラブの練習場へ行くと意外な姿を目にした。
「14年W杯後、私がFC東京を離れてしばらく経ってから、労働組合の仕事で権田にインタビューをする機会があって小平の練習場に行ったんです。すると、全体練習が終わった後に立ち膝の正面キャッチの練習を繰り返していた。W杯から帰って来てずっとやっているというから、権田に聞くと、『(世界のGKに)体格は勝てないけど、キャッチングとキックは勝てると思いました』と。代表では控えが続きましたが、ずっと牙を研いでいたんです」