初優勝した阿炎の次なる目標…師匠「寺尾超え」の大関昇進に必要なもの、足りないもの
「師匠を超えるのが目的だった。また一歩、進めたんじゃないかと思います」
28日の優勝一夜明け会見でこう話したのが、11月場所を制した阿炎(28)だ。
27日の千秋楽は本割で2敗の高安を突き倒し、3敗をキープ。大関貴景勝を合わせた3敗力士3人による巴戦で2連勝し、悲願の初Vを達成した。
■リーチの長い突っ張りが武器だが…
師匠は突っ張りの名手だった元関脇寺尾の錣山親方。阿炎も187センチの上背から繰り出すリーチの長い突っ張りを武器にしている。今場所は平幕だったものの、最高位は関脇。しかも、師匠が果たせなかった幕内優勝も成し遂げた。今後、大関昇進ならいよいよ「寺尾超え」だが、果たしてどうか。錣山親方と現役時代、対戦経験のある親方は「今のままでは阿炎は師匠に遠く及びませんよ」と、こう続ける。
「寺尾さんは80年代後半から90年代の相撲を語る上で、欠かせない力士。185センチで110キロ台とやや細身だったが、どんな相手にも果敢に立ち向かい、回転の速い突っ張りを浴びせていた。一方、阿炎は素質の面では寺尾さん以上だが、困ったら引き技や変化に頼る悪癖がある。今場所千秋楽、巴戦の高安戦でも立ち合いで変化気味に動いた」