フィジカル不安の千賀には最適 メッツ新育成ディレクターの「実力と評判」
エリック・ジェイガーズ(育成ディレクター/27歳)
これまで故障を繰り返してきたルーキー右腕には心強い存在だ。
今オフ、育成部門のディレクターに就任したジェイガーズ氏はデータに基づいた科学的なトレーニングを行うことで知られるワシントン州シアトルの施設「ドライブライン・ベースボール」でピッチングコーディーネーターを務めてきた。今季までレッズの投手コーチ補佐だったが、4100万円という破格の年俸でメッツに引き抜かれた。育成部門とはいえ、メジャーの選手の投球解析も担当するという。
同施設は、故障防止のプログラムも充実しており、エンゼルス・大谷翔平(28)もオフに通って、肩、肘への負担を軽減する投球フォームの見直しを行ったり、飛距離を伸ばす打撃フォーム改造に取り組んでいる。
千賀の代理人を務めるジョエル・ウルフ氏によれば、各球団と面談した際に同席したデータ分析の担当者に自身の球種の有効性などを質問したという。
フィジカルに不安のある千賀にとっては、球種の精度を高めると同時に、故障しないフォームづくりも課題になる。その点、スペシャリストのジェイガーズ氏は最適な存在だ。
さらにジェレミー・ハフナー投手コーチ(36)は専門家が分析したデータを技術的に結びつける指導に定評がある。メッツ投手陣の間では、わかりやすい説明から「翻訳家」として慕われているそうだ。「分析家」と「翻訳家」によってルーキー右腕の不安は解消されるかもしれない。